有機農業とは持続可能な社会を実現するための手段です。
が、実際のところは「オトナの事情」と言って、目をそらしていることが多すぎるような気がします。
横田農場は、
*6年前から畑にビニールを張るのをやめました。
*F1改良品種をはじめ、資源の多投を許容する品種を作るのをやめ、自家採種を作付けの7割まで増やしました。
*化学肥料や農薬など、有限な採掘資源を使わないだけでなく、それらによって生産された有機資源(食物残渣、家畜糞尿、紙マルチ、分解性マルチ)を利用することもやめました。
*地域の自然や文化の多様性を取り戻すために、在来種の復活に取り組み、6年間で10品種ほどのタネを発見し、守り繋いでいます。
有機農業を志した者として、地道に持続可能性を追及してきました。
ただ、ここまでやって燃料を手放せない。
昨日、横田農場で、ちょうどこの課題を話し合ったばかりでした。
電動のトラクターがあれば良いのか。
天ぷら油の廃油を使えば良いのか。
馬耕にするのか。
電動化のための技術的な/価格的なブレイクスルーを待つというのは、他人に問題の解決を委ねているだけにしかならない。
天ぷら油は、そもそも大量に捨てるほど利用できるのがおかしい。
馬耕では、野菜をみんなが買える値段で売れなくなる。
ジレンマです。もはやこの社会や経済という前提条件がそもそも間違っていると思うしかない。
それは、農家一個人では解決しない大きな問題で、今までずっと見て見ぬ振りをしてきたツケだと思うのです。
そして、みんなで解決するしかないのなら、世の中に現場の問題や課題を訴えかけ、対話(コミュニケーション)をしよう。
それを再確認しました。
自分の立場を押し付けるのはやめよう。問題に真に向き合うには、コミュニケーションをしなければ。
16歳の少女にできるなら、オトナにもできるはず。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190924/k10012095931000.html?cid=nwebhk-tvqc