荒木の旅路
縄文が農耕文化の始まりと共に弥生時代へと進む過程で、大陸から様々な稲が伝わったとされている。そうした稲に、ひとつひとつ名前がつけられた。
名は体を表す。
古来、言葉には相手を縛る力があるとされてきた。言葉という無形のフレーズは、その対象に実態としてのフレームを強要してしまう。
品種というのは、「ここからここまで」というフレームに、一つのフレーズを与えたものでもある。
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小川町の在来種を知るために、地元の文献を調査したことがあった。遡れば10年前になる。
そうした中で出会った幕末期に残された一つの資料。今から200年前に年貢の覚え書きとして書かれた雑穀物覚帳には、30あまりの稲(ほかにも麦、豆類など様々あった)の名前が記されていた。
「へねから」「女郎から」「あかひぜん」「風かいり」「七福」「あらき」ー昔の言葉には、柔らかい響きにチカラがあるー
名前はむろん、イネの違いを表している。
農研機構ジーンバンク、九州大学イネデータベースの公開情報、そして埼玉県農林総合研究所(旧)の協力で、現在に残る品種が保管されているかを調べたものの、めぼしいものはほとんど見つからなかった。
その中で、荒木という稲が農研と九大に蒐集されているのに目が留まった。それは、明治期には関東で広く作られていたという。これはひょっとすると小川町の「あらき」につながるかも?という、半ば希望的観測を捨てきれず、気づいたら農研機構にメールを打っていた。
荒木という品種
九州大学イネデータベースには、こうある。
1912年の加藤茂包氏の荒木の蒐集記録として、
『1688年(元禄元年)伊賀国阿拝郡荒木村において髭小粒という黒稲の中から荒木種(荒木白子)を選抜した。
又、千葉県香取郡多古町の人椎名順藏氏が育種した。関東地方に多く栽培。』
荒木の発祥とされている伊賀国、そして千葉県の一部地域は、江戸時代に同じ藩主に支配されていた時期があった。
三重県史によると、江戸時代に現在の三重県にあった津藩は、元和3年(1617年)には下総国香取郡の一部(現在の千葉県香取市、成田市、神崎町周辺で、大貫村、村田村、片野村、今村、桜田村、南敷村、馬乗里村)を領地として与えられている。
そのつながりを辿って、幕末には関東に荒木が伝わったのではないかと思われる。
明治になると、篤農家と呼ばれる熱心な農民によって稲の品種改良が盛んになる。彼らは、生まれた農村と農民の救済に心血を注いだ。
神力や亀の尾、旭、愛国など、普段私たちが食べている主要な稲の始祖と言える優秀な品種は、そうした時代に生まれた。
千葉は多古町に生まれた椎名順蔵は明治の世に荒木を携えて名乗りをあげる。
多古町史によれば、『明治時代の椎名氏の様子として、当時の稲作の6月中旬以降から熟成期の11月初旬にかけて、氏は各地の水田を行脚し、観察と記録を続けるのが日課であり、「荒木」はそうした行脚の中、20年の歳月をかけて発見・育種された』とある。
椎名は香取郡多古町の人物。同郡内の津藩領地であった香取周辺を行脚していた可能性は高い。
20年越しの荒木の結実。一人の子が成人してしまうような歳月を、椎名はひとところに傾けた。
その結実を、多古町編纂の「郷土に輝く人々」の中ではこう記している。
『荒木種 この原種は去る明治二十四年(一八九ー)ころに、本郡多古町大字林の推名順蔵が選んだのが最初である。この種類は普通の種類よりもやや大粒で、共進会品評会において審査上の得点要項に照らしてみても、欠点が見当たらないくらいの良品質で、その色やつやも他の種類には見られないくらいに油質を帯びたつやを出しているので、その特色を知らない人は、油を塗ったのではないかと疑ったほどである』
そんな荒木も結局、昭和に入る頃には栽培も下火になり、交配のための片親として選ばれることもなかった。
名前としても遺伝子としても、現代に続く道は途絶え、忘れ去られてしまった品種である。
そんな品種を、折しも復活させてしまったのは、風土と歴史の為す必然かもしれない。
古文書であらきという言葉に触れたそのきっかけが、小川で歩みを始めた。
農研機構から届いた種籾は、八十八粒だった。
【イベントのお知らせ】
小川町をはじめ、近隣一帯の農家は、大豆や麦を作って自分たちのお味噌やお醤油を毎年仕込んでいた時代がありました。
小川町にはその当時からの在来大豆が残され、味噌作りも代々行われてきましたが、醤油づくりは長らく途絶えたままでした。
その昔、お醤油を仕込む時期になると近所の小さな醤油屋がリヤカーに道具を積んで農家を周り、その年に取れた大豆と小麦で醤油を1週間かけて仕込んでまわる。農家の土間には醤油甕が置かれ、そこに棒を刺して人が通るたびに一混ぜしながら熟成させると、ちょうどの頃合いで醤油を絞りに醤油屋がまたがリヤカーを引いてやってくる。
そんな営みも、醤油が市販されるようになった昭和30年ごろまでの話。小さな醤油屋の廃業とともに、農家で仕込む醤油も姿を消してゆきました。それが父が小学生のころのお話。
そんなお醤油をもう一度味わってみたい。あの頃の味を思い出しながら始めた醤油づくりです。
■スケジュール■
*1日目:5月2日(金) 9:00~14:00
麹づくり(大豆を蒸し、麦を炒ってひき割りにしたものに麹をつけます)
*2日目:5月3日(土) 9:00~15:00
搾りたてのお醤油で打ちたてのうどん食べて、雑穀工房のクラフトビール、KIKIのナチュラルワイン飲めます!🍺🍶🍷🍜
※搾りのみの参加も受け付けています。
*3日目:5月4日(日) 10:00~11:00
麹の管理(麹かえし)、去年ご参加の方のお醤油絞り
*4日目:5月5日(月) 9:00~12:00
お醤油を仕込みます(もろみをお持ち帰り:2L分前後)
■お持ち物■
エプロン、三角きん、お弁当(5月2日のみ)
最終日、もろみをお持ち帰りいただく容器をご持参ください。
■料金■
4日間通し:¥10,000円
搾りのみ:¥5,000円
■お申込み■
下記URLまたはイベントページチケットボタンからお願いします。
https://forms.gle/RX5CVPCfGpPmqdmy9
(Instagramの場合はプロフィールページにリンクがあります)
※イベントページでの参加表明は受付されません。
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#横田農場 #小川町 #埼玉
#お醤油 #醤油 #soyasauce #shoyu #醤油仕込み #クラフト醤油 #うどん
#食べ物 #野菜 #固定種 #自家採種 #農家 #農業
#畑 #無農薬
#organic #agriculture
鎌倉の写真展が16日をもって無事終了しました。
今回は、如意庵という仏教建築での展示。
ご本尊が置かれた間を挟むように、書院作りを取り入れた上間、下間があり、そして内縁側がそれらを取り囲んだ建物で、間取り、そして建物に使用された特別な材や設えから受け取る意味、情報量、気の多い場所でした。
前回の小川町の展示とほぼ同じ写真を持ち込みましたが、その写真たちと空間とが調和するか、そして建物に傷をつけない展示方法は何か、最後の最後まで検討を重ねました。
それでも設営中に写真を大幅に入れ替え、ギリギリで仕上がった展示はとても良い内容だったなと思います。
そして展示中に日々変わる和尚様の生花。空間と写真をつなぐようにそこにあって、写真に自然と引き込まれる演出が素晴らしかったです!
今回も様々な人達の協力があり、実現しました。
そして写真展に足を運んでくださった皆様、ありがとうございました。
Special thanks!
会場提供&お弁当
@kamakura_nyoian
生花
如意庵和尚様
そして準備に携わってくれた方々
ポスターデザイン
@whereisogawatown
空間アドバイザ
@satomi.nakaichi
トークイベントインタビュア
@takehikoyanase
機材提供
@masahiro_lai_arai
額装
@daisuke8543
初日のイベントは素敵な物販のおかげでとても上がりました!
@doyoubi_muffin
@warashibe1119
@couronne_87
@atsukogenkinoki
鎌倉でのお手伝いに飛んできてくれた方々
@rinkoringo282828
@s_h_i_o_r_i_88
@sakusaku_chan
ななさん
そしてこの機会を繋いでくださった
@makoto.naoi
そして如意庵スタッフのみなさま!
今シーズンは農作業が忙しくなるため、写真展は一旦終了です。おかげさまで新たにお話もいただいていますので、この冬に再開するかもしれません。
#横田農場 #小川町 #埼玉
#横田岳写真展 #写真展 #農業写真
北鎌倉の写真展では、3/9限定でお弁当を販売予定です!
私たちが円覚寺如意庵へ赴いた際にいただいた精進料理がめちゃくちゃ美味しかったことで、トークショーに合わせて農場のお野菜を食べてもらうのだったら、もうこれしかない!という声に応えていただきました。
普段、如意庵が来客の際に特別に提供している精進料理ですが、今回はこれをお弁当箱に詰めて提供予定です。
当日は能登の被災地支援の一環で毎月行っている、能登の食材を使った温かい汁物を提供する日でもあり、これをセットにしています。
まださむい鎌倉で温かい汁物を飲みながら、農場の食材を使った精進弁当を食べ、写真展、そしてトークショーもお楽しみいただけたらと思っています。
まだまだご予約受付中ですので、ご予定の合う方はぜひお申し込みください!
お申し込みは
https://forms.gle/jcSpo1qip1Wwv1159
またはInstagramプロフィールページのリンクより受け付けております!
※お弁当はご予約が必要です。
#横田岳写真展
#北鎌倉
#円覚寺
#如意庵
#埼玉 #小川町 #写真展
【写真展のお知らせ】
小川町での展示を終え、第二回目の写真展が決まりました!
場所は北鎌倉にある円覚寺。塔頭のひとつである「如意庵」。
鎌倉での写真展開催にあたって、あらためて小川町と横田農場、写真の話を。
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埼玉県比企郡小川町。
町を貫くように秩父往還が横たわり、北には中山道が、そして東には鎌倉街道が走るこの地域は、古くから交通の要衝に位置してきました。
小川町は平地と山地の境目にあって起伏が大きい場所です。決して多くない土地を耕してきた人々が、その傍でさまざまな生業を興し、近隣との交易によって発展した町でもあります。
山や川に阻まれ、窮屈に広がる田畑。その狭さゆえに、「恵みを得る」ということの周りを巡る、万物の循環が一望できる場所。
循環という言葉を掲げた有機農業が、50年も前に小川町で始まったのは、偶然ではなかったと思います。
横田農場は、そんな町で35年前に有機農業をはじめました。
わたしは、11年前に両親の営む横田農場に就農をしたのち、7年前にカメラに出会います。
自然や人、文化や社会。農家は、そのつながりの起点に立っているからこそ見えている、現代社会に対する眼差しがあると思います。
気付けば、その眼差しをカメラで切り取っていました。
目に映らないようでよく見ると映る自然の機微。その様子をつぶさにとらえ、変化を起こそうとする農家の姿。
そんな、自然とも、不自然とも言えない世界を捉え続けた日々。
3年間に撮影した、6万枚に及ぶ写真の中からセレクトしたのは、言葉にし難い人と農業の関係。
小川町に続き、北鎌倉・円覚寺塔頭「如意庵」に場所を移して2回目の開催です。
*期間
2025年3月9日(日)~3月16日(日)
*会場
北鎌倉・円覚寺塔頭 「如意庵」 @kamakura_nyoian
※拝観料をお支払いいただければ入場自由です。(拝観料:大人500円/子供200円)
*会期中イベント
トークショー「自然と人の間にあるもの」
横田岳 × 柳瀬武彦(YOU INC.代表/PEOPLE・BOTABOOKS店主)
会場:円覚寺・「如意庵」
時間:3月9日13時半~15時
参加費:300円
能登のかす汁、横田農場の有機野菜を使った精進弁当を販売します。
お弁当ご予約フォームはプロフィールページのリンクをクリックしてください。
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ポスターデザイン: @whereisogawatown
#埼玉県 #小川町
#横田農場
#横田岳写真展
写真展終了しました。
最後まで何を飾ろうかと悩んだ写真展でした。3年間に撮り溜めた6万分の39枚の写真たち。写真を前にしたみんなの反応を見て、悩みに悩んで送り出してよかったと思っています!
ご来場された皆様、本当にありがとうございました。
Special thanks!
会場提供
@warashibe1119
@yoshi19671013
@2018warashibe.yumi
そして準備に携わってくれた方々に感謝
ポスターデザイン
@whereisogawatown
空間アドバイザ
@satomi.nakaichi
トークイベントインタビュア
@takehikoyanase
機材提供
@masahiro_lai_arai
そしてこのふたりがいなかったら終わらなかった🙇♂️
@daisuke8543
@couronne_87
隙間で飛んで来てくれたことに大きな感謝
ドタ
@michael_714
そしてわらしべスタッフのみなさま!
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ちょっとお知らせ🤏
次回の展示が北鎌倉にある円覚寺にて開催が決まりました!
今のところ3/9〜16の予定です
詳報は後ほど!
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#横田農場 #小川町 #埼玉
#横田岳写真展 #写真展 #農業写真
山に入ってひと仕事、焚火を囲んでみんなでクラフトビールを飲みましょう!
間伐、玉切り、薪運び、落ち葉掃きをします。
*スケジュール
・2/8
・2/22
・3/1
・3/8
・3/15
・3/22
・3/29
10時~17時
*参加料金
・500円(保険代等)
・ビール代(1杯600円)持ち込みも可
・お弁当は無料です
*参加人数
各日15名まで
*持ち物
・汚れても良い服
・長靴か底の丈夫な運動靴(トレッキングシューズなど)
・軍手
*お弁当について
地元のお野菜を使ったお弁当をご用意します。ご要望のある方はお参加フォームにてご入力をお願いいたします。
なお、お弁当の発注数が10食に満たない場合、飲食店さんが逆に大変になってしまうので、お弁当の持参をお願いすることになる場合もあります。あらかじめご了承ください。
*開催・中止
お申し込みが3人以下の場合中止になります。
前日か当日の雨の場合は中止になります。場合によってはそれ以前の雨の場合でも中止になる場合があります。
3月は蜂や蛇が冬眠から目覚めたあたりで中止になります。
*お申込み
https://forms.gle/H6inTHYsEa3u6fZK9
または
プロフィールのリンクからお申込みできます!👉 @yokota.farm
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#横田農場 #小川町 #埼玉
#山仕事
#食べ物 #野菜 #固定種 #自家採種 #農家 #農業 #farmers
#畑 #無農薬
#organic #agriculture
#japanesefood #japanculture
#monochrome #fujifilm
お味噌の仕込みWSを開催します!
横田農場でとれた青山在来大豆とお米(農林48号)を使って米味噌を仕込みます。
同じ材料を使ってもなぜか出来上がりの味噌の味が違ってくるのが、手作り味噌の醍醐味です。 1年後には、どんな「my 味噌」になっているか、挑戦してみましょう。
【日程】
2/15 11時〜
【お申込み】
https://forms.gle/cEG2wQzfWhUvUup59
インスタグラムの場合はトップページにリンクがあります。
【費用】
① 味噌づくり材料費
出来上がりの味噌 1kg の材料費(大豆、麹、塩)1500円として、
欲しい量x1500円
(大豆の準備がありますので、必ず量の申請をお願いします)
② 参加費(保険料込)+お弁当代
【持ち物】
味噌を入れる容器、暖かい服装、帽子、タオル、飲み物
写真展、始まりました!
26日までです!
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*会期中イベント
トークイベントを開催します。聞き手は会場である玉成舎にある「People」オーナーであり、ネットラジオ「おがわのね」主宰、柳瀬武彦さん(@takehikoyanase)。対談の中で、写真についてや農業のこと、小川町の魅力についてお話しできたらと思います。トークイベント後はわらしべにて食事をしながらお話をしましょう!
○日時:1月26日17時〜
写真展会場である玉成舎にて。
(※ご予約はトップページのリンクにて受け付けております。)
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*写真展会場について
「玉成舎(ぎょくせいしゃ)」https://gyokuseisha.jp/
埼玉県比企郡小川町小川197
玉成舎内で営業しているお店があれば、ご覧いただけます。
「有機野菜食堂わらしべ」営業時間:11~20時 ※月・火定休
「People」営業時間:11時~16時(金曜のみ~22時) ※金・土のみ営業
#埼玉 #小川町 #写真展
#農業写真
あけましておめでとうございます!🎍
年末年始、実は家族中でインフルをバトンしておりまして、やっとみんなの体調が元に戻りました。
なかなか連絡ができなかったみなさま、ご心配をおかけしました🙇♂️
今年は初っ端から写真展ですが、後手に回りながらも準備が着々と進んでいます!(良い展示になりそう)
ひとまずの告知ですが、1月26日写真展最終日、トークイベントを開催します。
場所は写真展会場(小川町-玉成舎 @warashibe1119 )17時スタートを予定です。
詳報、お申込先は後日告知をしますが、行きたいという方はDMでも受け付けますのでご連絡ください🙇♂️
ではでは今年もよろしくお願いいたします!
みんなで良い年にしましょう!
#横田農場
#小川町 #埼玉
#農業写真
#写真展
青山在来大豆の脱穀が終わりました!
今年は3年の試験栽培を経て、確信を持って挑んだ夏場の高温対策が逆に裏目に出た形に。。
コロコロと目まぐるしい天候が難しい。
そこで今年から、大豆の選抜を始めました。
今までは収穫した大豆を選別し、豆を見て一番良いものを種にしていました。
それを、収穫前の畑に入って株の様子を見て選ぶことで、より望ましい変化を起こそうと考えています。
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#横田農場 #小川町 #埼玉
#野菜 #固定種 #在来種 #自家採種 #農家 #農業 #farmers
#畑 #無農薬 #自然栽培
#organic #agriculture
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【写真展のお知らせ】
前回の写真展では、小川町を皮切りに、埼玉は川越、浦和、東京は聖蹟桜ヶ丘、下北沢をめぐり、ありがたいことにたくさんの方にお越しいただきました。
それから3年余りを経て、いよいよ第二回目の写真展を開催することになりました。
撮影のスタイルは当初からずっと変わらず、FUJIFILMのカメラをハーネスに付けて、農作業をしながら感じた心の動き、感動したその瞬間を写真に収める日々です。
同じ季節を、3回めぐりました.。
同じことの繰り返しのように見える季節の巡りにも、常に新しい感動があります。
農業は、絶えず変化し続ける自然に対して、人がそこに関わって植物を育てる仕事です。それは、人が自然に対して働きかけ、受け取るということの連続でもあります。
だからこそ、決して同じことの繰り返しではありません。
目に映らないようでよく見ると映る自然の機微。その様子をつぶさにとらえ、変化を起こそうとするの農家の姿。そんな、人と自然の関係を捉え続けた3年間だったと思います。
今回は、3年間のうちに撮りためた6万枚に及ぶ写真の中から、人と農業を一つのテーマにしてセレクトしました。
写真は玉成舎内の土間スペースだけでなく、「有機野菜食堂 わらしべ」にも展示します。
会期中は入場無料となっています。お気軽にお越しください。
*期間
2025/01/15(水)~01/26(日)
*会場
玉成舎(ぎょくせいしゃ)
埼玉県比企郡小川町小川197
新麦コレクション2024
大河が刻んだ台地は水を寄せ付けず、険しい山は水田を阻む。満足な水田に恵まれなかった地域では、年貢に苦労した。そんな、地形の生み出す苦しみを裏返すように花開いたのが、麦の文化。
横田農場のある関東地方は、1億5000万年前に始まった造山活動が大地を持ち上げて関東山地を作り、そこを流れた川が台地や丘陵を浮き彫りにした。武蔵野台地には武蔵野うどんが、狭山丘陵には狭山茶が文化として根付いたのは、年貢米の代わりになる作物の必要に駆られた農民がそこにいたからである。
同じ理屈で、秩父では養蚕が隆盛を極め、小川では和紙が盛んに漉かれるようになる。
麦は、大地の起伏を見た時に、川面を下に見た文化を象徴している。麦を作り、食べる文化圏は、川面を上に見た地域、つまり米どころを取り囲むように広がっている。そうした地形の生み出す作物のコントラストは、日本の場合は米と麦のせめぎ合いを生んできた。
実はこのせめぎ合いが、日本の文化だと思う。
米と対をなす小麦文化。
そんな、ローカルな小麦の価値を再発見しようと取り組んでいる人たちがいます。
👉 @mugikore 👈
8月より、新麦の解禁が九州地方から始まっているそうです。
今回、新麦コレクションのパンフレットの表紙に、農場で普段撮影している写真を使っていただきました。
@ikedahiloaki さん、ありがとうございます😭
#新麦コレクション
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#ローカルフード