daily photo

梅が咲きました

春、
目前

梅が咲きました

春、
目前
...

52 1
…
間伐、玉切り、薪運び、落ち葉掃きをします。

山に入ってひと仕事、焚火をして、クラフトビールを飲みましょう!

*イベントスケジュール
・2/3
・2/17
・2/24
・3/2
・3/9
・3/16
・3/23
・3/30
10時~17時

*参加料金
・1000円(保険代+お弁当代)
・ビール代(飲みたい人は1杯600円)

*参加人数
各日15名まで

*持ち物
・汚れても良い服
・長靴か底の丈夫な運動靴(トレッキングシューズなど)
・軍手

*お弁当について
地元のお野菜を使ったお弁当をご用意します。ご要望のある方はお参加フォームにてご入力をお願いいたします。
なお、お弁当の発注数が10食に満たない場合、飲食店さんが逆に大変になってしまうので、お弁当の持参をお願いすることになる場合もあります。あらかじめご了承ください。

*開催・中止
イベントに参加される方がトータルで2人以下の場合中止になります(3人以上集まれば開催)
落ち葉が重たくなって運べなくなるので前日か当日の雨の場合は中止になります。場合によってはそれ以前の雨の場合でも中止になる場合があります。

*お申込み
下記URLまたはイベントページチケットボタンからお願いします。
https://forms.gle/MiK4NR2wbAth1TvXA
(Instagramの場合はプロフィールページにリンクがあります)

※イベントページでの参加表明は受付されません。


間伐、玉切り、薪運び、落ち葉掃きをします。

山に入ってひと仕事、焚火をして、クラフトビールを飲みましょう!

*イベントスケジュール
・2/3
・2/17
・2/24
・3/2
・3/9
・3/16
・3/23
・3/30
10時~17時

*参加料金
・1000円(保険代+お弁当代)
・ビール代(飲みたい人は1杯600円)

*参加人数
各日15名まで

*持ち物
・汚れても良い服
・長靴か底の丈夫な運動靴(トレッキングシューズなど)
・軍手

*お弁当について
地元のお野菜を使ったお弁当をご用意します。ご要望のある方はお参加フォームにてご入力をお願いいたします。
なお、お弁当の発注数が10食に満たない場合、飲食店さんが逆に大変になってしまうので、お弁当の持参をお願いすることになる場合もあります。あらかじめご了承ください。

*開催・中止
イベントに参加される方がトータルで2人以下の場合中止になります(3人以上集まれば開催)
落ち葉が重たくなって運べなくなるので前日か当日の雨の場合は中止になります。場合によってはそれ以前の雨の場合でも中止になる場合があります。

*お申込み
下記URLまたはイベントページチケットボタンからお願いします。
https://forms.gle/MiK4NR2wbAth1TvXA
(Instagramの場合はプロフィールページにリンクがあります)

※イベントページでの参加表明は受付されません。
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114 0
…
🙇‍♂️大豆探しています🙇‍♂️

今年度の大豆は夏の高温と水不足により、産地全体で不作となってしまいました。

小川町も例外ではなく、その生産量は例年の10分の1という農家もいるほど深刻なものでした。

そんな中、私たちの作るお醤油に使う青山在来大豆の確保が厳しい状況です。
お醤油作りには、最低1トンという大豆が必要です。
しかし、現状で残り400kg弱を確保する目処が立っていません。

どなたでも、どんな量でも構いません!無農薬、無化学肥料栽培で青山在来大豆を生産されていて、私たちに売っていただける方はいらっしゃらないでしょうか?

あるよ!という方はメッセージをくださるととても嬉しいです🙇‍♂️🙇‍♂️


🙇‍♂️大豆探しています🙇‍♂️

今年度の大豆は夏の高温と水不足により、産地全体で不作となってしまいました。

小川町も例外ではなく、その生産量は例年の10分の1という農家もいるほど深刻なものでした。

そんな中、私たちの作るお醤油に使う青山在来大豆の確保が厳しい状況です。
お醤油作りには、最低1トンという大豆が必要です。
しかし、現状で残り400kg弱を確保する目処が立っていません。

どなたでも、どんな量でも構いません!無農薬、無化学肥料栽培で青山在来大豆を生産されていて、私たちに売っていただける方はいらっしゃらないでしょうか?

あるよ!という方はメッセージをくださるととても嬉しいです🙇‍♂️🙇‍♂️
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109 1
あけましておめでとうございます。

また新しい年を迎えられることを、当たり前と思ってはいられない年明けとなりました。

あけましておめでとうございます。

また新しい年を迎えられることを、当たり前と思ってはいられない年明けとなりました。
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52 0
本年もお世話になりました。

来年が良き年になりますように。

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#横田農場 #小川町 #埼玉
#野菜 #固定種 #自家採種 #農家 #農業 #farmers
#畑 #無農薬 
#organic #agriculture

#cottoncarr

本年もお世話になりました。

来年が良き年になりますように。

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71 0
大根たちも順調

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#横田農場 #小川町 #埼玉
#大根
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大根たちも順調

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57 0
カブはなかなか順調

間引きもしっかりと終わり、あとは太るのを待つだけです。

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#横田農場 #小川町 #埼玉
#カブ #コカブ 
#食べ物 #野菜 #固定種 #自家採種 #農家 #農業 #farmers
#畑 #無農薬 
#organic #agriculture
#japanesefood #japanculture
#monochrome #xh2s  #fujifilm 
#xf50140
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間引きもしっかりと終わり、あとは太るのを待つだけです。

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60 0
だんだんと品数が増えてきました!

大変だった夏をやっと越えたというかんじ。

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#横田農場 #小川町 #埼玉
#秋野菜
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85 1
やっと涼しい日が続いています

季節は秋
食欲の秋だ!

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#横田農場 #小川町 #埼玉
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#canon #oldlens #fl50mmf18ii
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50 1
枝豆販売中止のお知らせ

みなさま、毎年青山在来大豆の枝豆を楽しみにされていることかと思いますが、残念なお知らせです。

今年の枝豆販売は、冒頭の通り中止とさせていただきます。

今年は、発芽した豆を鳩の集団に食害されてしまいました。2度、3度とまき直しをしましたが、その度に食べられ、予定の3分の1の圃場で、作付けを諦めざるを得ない状況でした。

大豆栽培の途上を味わう枝豆ですので、余剰がなければ枝豆としての出荷は叶わず、そうした理由で今年の枝豆販売を断念する運びとなりました。

楽しみにお待ちしておりましたみなさまには大変心苦しいのですが、鳩のことを恨みながら、来年またお買い求めいただければと思います。

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#横田農場 #小川町 #埼玉
#お知らせ #青山在来大豆 #青山在来大豆えだまめ 
#食べ物 #野菜 #固定種 #自家採種 #農家 #農業 #farmers
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枝豆販売中止のお知らせ

みなさま、毎年青山在来大豆の枝豆を楽しみにされていることかと思いますが、残念なお知らせです。

今年の枝豆販売は、冒頭の通り中止とさせていただきます。

今年は、発芽した豆を鳩の集団に食害されてしまいました。2度、3度とまき直しをしましたが、その度に食べられ、予定の3分の1の圃場で、作付けを諦めざるを得ない状況でした。

大豆栽培の途上を味わう枝豆ですので、余剰がなければ枝豆としての出荷は叶わず、そうした理由で今年の枝豆販売を断念する運びとなりました。

楽しみにお待ちしておりましたみなさまには大変心苦しいのですが、鳩のことを恨みながら、来年またお買い求めいただければと思います。

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76 0
青山在来大豆の開花

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青山在来大豆の開花

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100 8
げこり

野菜や草花があり、ムシがいて、カエルがいて。
勝手にバランスが取れてゆくのです。

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#横田農場 #小川町 #埼玉
#蛙 #カエル 
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#畑 #無農薬 
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げこり

野菜や草花があり、ムシがいて、カエルがいて。
勝手にバランスが取れてゆくのです。

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65 0
イエローマスタード

なかなかの量です。

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61 0
〈コラム〉オリジンに戻ること【7】

 日本というのは、米の国である。
小川町は、その大部分が山に囲まれた盆地を成している。そう言った山間の土地においては、稲作には苦労をした。農民にあっては、江戸時代までは年貢を求められたし、地租改正の後、第二次大戦後にGHQが農地開放をするまでは、小作料として米や銭を納めることを半ば余儀なくされた。江戸時代、旗本領では、往々にして重税であり(それでも藩政というのは財政に苦労していたらしいが)、山間や水に恵まれない土地を耕作するものにとっては、米だけでは収めきれないのが常だった。小川町でも、盆地という性質上水田は多くなく、畑方年貢や金納と言った米以外の手段をつなぎ合わせて、めくる年の年貢をやっとの思いで納めているような農民がほとんどであった。それでも不足すれば、家財を売り払ったり、質地と言って、一家の田畑を質に入れ、金を工面することも多かったらしい。
飢饉になれば餓死者が少なからず出たという記録が、年貢の減免を上申する為に書かれた検見(けみ)の請願書とともに農場のある地区のすぐ隣にあった旧時代の役人の家に残されている。時に天保年間の話だ。別に、近所の蔵に入らせて頂いたのだが、そこに納められいた文書の多くが、所有している田畑を質に入れる為の質地証文であったことを合わせれば、当地の小農民たちの困窮具合がわかる。

 江戸時代後期、天保年間を過ぎると、町内で農事記というのが記録されるようになる。その中の「万穀物覚帳」という古文書からは、農民が実に様々な物を生産していたことが読み取れる。米の他に、大豆、小豆、ササゲなどの豆類、大麦や小麦、ヒエ、アワ、蕎麦などの雑穀類、そしてタバコの生産も多かったようだ。
そうした作物は、年貢のための換金作物でもあり、農民にとって生活の糧そのものでもあった。私の父に子供時代の話を聞けば、当時は毎晩のように小麦を捏ね、うどんやすいとんばかり食べていたと言うし、飯米には米より多くの麦が混ぜられていたと言ったのは近所のおじいさんだった。水田が少ない土地というのは、その裏返しの文化が根付いている。そのお陰と言っていいのか、麦をはじめとする雑穀物を作らざるを得なかった埼玉県北部の丘陵部や西部の山間部の文化というのは、今でも麦や蕎麦の香りに満ちている。(武蔵野台地の武蔵野うどんはその代表例である)
 もともと小川は、古くから江戸と秩父の通商の拠点のひとつとしてその中心部が栄え、頻繁に市が開かれていたこともあり、さまざまなものが取引されていた。最盛期には、小川だけで50余の穀問屋がひしめきあい、専ら、周縁地域の農民はそうした場所で穀類を売り、現金を得ていたらしい。
 換金という目的においては、副業という手段が特に発展した。中でも農閑期に製造できる生糸と和紙は、江戸の需要、全国的な商品流通と結びついて、大規模な産地を形成した。
とりわけ秩父などは、農業生産と副業である養蚕の比重が逆転するほどで、一時代の秩父人にとって米はむしろ買い求めるものであった。もっとも、農民にあっては生活基盤のほとんどを蚕による現金収入に頼っていたために、生糸の値動きに翻弄され続けることになった。時に明治17年、その2年前から始まった不況は、自由民権運動を後ろ盾に秩父事件という近代史上最大の農民蜂起に繋がってゆく。

〈続〉

事実や史実に反する内容があった場合にはご一報をお願いします。
加筆、修正させていただければ記録として残す価値が上がるかと思います。
思ったことを書き並べているということもあって、内容が前後するかもしれませんが、その辺は多めに見てください。
_____________________
#横田農場 #小川町 #埼玉
#食べ物 #野菜 #固定種 #自家採種 #農家 #農業 #farmers
#畑 #無農薬 #有機農業 
#organic #agriculture
#japanesefood #japanculture
#monochrome

〈コラム〉オリジンに戻ること【7】

 日本というのは、米の国である。
小川町は、その大部分が山に囲まれた盆地を成している。そう言った山間の土地においては、稲作には苦労をした。農民にあっては、江戸時代までは年貢を求められたし、地租改正の後、第二次大戦後にGHQが農地開放をするまでは、小作料として米や銭を納めることを半ば余儀なくされた。江戸時代、旗本領では、往々にして重税であり(それでも藩政というのは財政に苦労していたらしいが)、山間や水に恵まれない土地を耕作するものにとっては、米だけでは収めきれないのが常だった。小川町でも、盆地という性質上水田は多くなく、畑方年貢や金納と言った米以外の手段をつなぎ合わせて、めくる年の年貢をやっとの思いで納めているような農民がほとんどであった。それでも不足すれば、家財を売り払ったり、質地と言って、一家の田畑を質に入れ、金を工面することも多かったらしい。
飢饉になれば餓死者が少なからず出たという記録が、年貢の減免を上申する為に書かれた検見(けみ)の請願書とともに農場のある地区のすぐ隣にあった旧時代の役人の家に残されている。時に天保年間の話だ。別に、近所の蔵に入らせて頂いたのだが、そこに納められいた文書の多くが、所有している田畑を質に入れる為の質地証文であったことを合わせれば、当地の小農民たちの困窮具合がわかる。

 江戸時代後期、天保年間を過ぎると、町内で農事記というのが記録されるようになる。その中の「万穀物覚帳」という古文書からは、農民が実に様々な物を生産していたことが読み取れる。米の他に、大豆、小豆、ササゲなどの豆類、大麦や小麦、ヒエ、アワ、蕎麦などの雑穀類、そしてタバコの生産も多かったようだ。
そうした作物は、年貢のための換金作物でもあり、農民にとって生活の糧そのものでもあった。私の父に子供時代の話を聞けば、当時は毎晩のように小麦を捏ね、うどんやすいとんばかり食べていたと言うし、飯米には米より多くの麦が混ぜられていたと言ったのは近所のおじいさんだった。水田が少ない土地というのは、その裏返しの文化が根付いている。そのお陰と言っていいのか、麦をはじめとする雑穀物を作らざるを得なかった埼玉県北部の丘陵部や西部の山間部の文化というのは、今でも麦や蕎麦の香りに満ちている。(武蔵野台地の武蔵野うどんはその代表例である)
 もともと小川は、古くから江戸と秩父の通商の拠点のひとつとしてその中心部が栄え、頻繁に市が開かれていたこともあり、さまざまなものが取引されていた。最盛期には、小川だけで50余の穀問屋がひしめきあい、専ら、周縁地域の農民はそうした場所で穀類を売り、現金を得ていたらしい。
 換金という目的においては、副業という手段が特に発展した。中でも農閑期に製造できる生糸と和紙は、江戸の需要、全国的な商品流通と結びついて、大規模な産地を形成した。
とりわけ秩父などは、農業生産と副業である養蚕の比重が逆転するほどで、一時代の秩父人にとって米はむしろ買い求めるものであった。もっとも、農民にあっては生活基盤のほとんどを蚕による現金収入に頼っていたために、生糸の値動きに翻弄され続けることになった。時に明治17年、その2年前から始まった不況は、自由民権運動を後ろ盾に秩父事件という近代史上最大の農民蜂起に繋がってゆく。

〈続〉

事実や史実に反する内容があった場合にはご一報をお願いします。
加筆、修正させていただければ記録として残す価値が上がるかと思います。
思ったことを書き並べているということもあって、内容が前後するかもしれませんが、その辺は多めに見てください。
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#畑 #無農薬 #有機農業
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61 0
オクラの種まき

今年も美味しいオクラ作りまっす

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#オクラ
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#畑 #無農薬 
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オクラの種まき

今年も美味しいオクラ作りまっす

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72 0
〈コラム〉オリジンに戻ること【6】 

 当たらずとも遠からずという思いで、補足的に酢蛸の話をした。閑話休題として、話題を戻したい。

 大正の時代くらいまで、まだまだ資源開発も食糧生産技術も未熟で、古くから続く村社会の影が色濃かった時代、自然に大部分を頼って生きていた農村の人々の間では、口減らしが行われていたことを知っている人は少ない。
子殺し、そして姥捨。そういった行為は、古い農村の歴史を辿っていくと必ず行き当たる。小川町も例に漏れず、その描写は親しみをもった風景の中にあって、どうしても他人事とは思えない。

 地元で、明治にお生まれの(今はお亡くなりになっている)方が、自身の半生を記した著書「茨の道」での冒頭「惨めな時代だった」と書かれていたことを思い出すたびに、そうした時代の建築や工芸、食文化に対する肯定的な感覚に複雑な思いがしてしまう。
 ーーちなみに言うと、自叙伝のような農村の普段の営みを記したものというのはなかなか探しても見当たらない。昔は、紙と墨自体が貴重なものだったし、そうしたものを使って記すのは特別な事柄に限られていた。古い農村の姿というのは、それぞれの記憶の中に留められているもので、大概がその一生と共に霧散してしまう。前述の「茨の道」は、昭和の終わり頃に出版されたもので、取り留めのない描写を紙に写しとろうというくらいに、記録というのがが気軽にできる時代になったとも言える。ーー

 私たちが伝統と言って、無意識に古文化を偲ぶ感覚は、ずいぶんと楽観的なものなのではないか。
だからと言って、近代化に諸手を挙げて肯定することも憚(はばか)られる。農村に生きた明治人が、その半生を振り返って惨めさのようなもの感じていたように、現代を生きる私たちもまた、私たちの時代に対して満たされない何かを感じていることは事実だと思う。昔を生きてきた方からすれば、よほど贅沢な悩みだと叱られそうだが。

 しかし私たちは、近代化の孕む問題の答えをついつい過去に求めがちになってしまう。というより、伝統を美化することでそれを近代化批判の表現に使ってしまう。
往々にして、そうした表現の根底に、まるで蒸留物然とした郷土愛があるような、歴史の上澄みばかりを掬(すく)いたがる風潮が鼻についてあまり好きにはなれない。近所のお年寄りの、昔を語る哀愁混じりの口調と、今を生きる幸せがないまぜになった裏腹な表情に私はリアルを感じる。歴史というのは、清濁を合わせ呑んだものだと思うのだ。言わずもがなではあるが。

 そんなことを思いつつも、少し前の私自身、有機農業という世界に身を置いた当初は、口当たりの良い蒸留酒にでも酔いしれたような感じだった。持続可能な農業に懐古的な何か美しさのようなものを投影していたと言えばいいのか、とにかく恥ずかしくも浅慮と言っても良いくらいだったと思う。それは、端的にいえば「自然と寄り添う」とか、「丁寧に生きる」みたいな、足付きの悪い理想に囚われていたように感じる。
とはいえ、それが歴史を知ろうという入り口になったことはよかった。昔の人はどんな暮らしを営んでいたのかという疑問が、私をリアルに引き戻すことになったのだった。
そして、多くのものを自給し、循環の中で生活を送っていた時代の地元の古い文化を記した文献や、近所のお年寄りの話に触れて、私たちが現代社会に抱く違和感に対して立ち現れる、無垢でとりとめのない懐古的な考え方や、昨今取り沙汰されているSDGsという取り組みに対する私たちの受け取り方に、少なからず疑問を抱くようになった。

〈続〉

事実や史実に反する内容があった場合にはご一報をお願いします。
加筆、修正させていただければ記録として残す価値が上がるかと思います。
思ったことを書き並べているということもあって、内容が前後するかもしれませんが、その辺は多めに見てください。
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#横田農場 #小川町 #埼玉
#食べ物 #野菜 #固定種 #自家採種 #農家 #農業 #farmers
#畑 #無農薬 #有機農業 
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〈コラム〉オリジンに戻ること【6】

 当たらずとも遠からずという思いで、補足的に酢蛸の話をした。閑話休題として、話題を戻したい。

 大正の時代くらいまで、まだまだ資源開発も食糧生産技術も未熟で、古くから続く村社会の影が色濃かった時代、自然に大部分を頼って生きていた農村の人々の間では、口減らしが行われていたことを知っている人は少ない。
子殺し、そして姥捨。そういった行為は、古い農村の歴史を辿っていくと必ず行き当たる。小川町も例に漏れず、その描写は親しみをもった風景の中にあって、どうしても他人事とは思えない。

 地元で、明治にお生まれの(今はお亡くなりになっている)方が、自身の半生を記した著書「茨の道」での冒頭「惨めな時代だった」と書かれていたことを思い出すたびに、そうした時代の建築や工芸、食文化に対する肯定的な感覚に複雑な思いがしてしまう。
 ーーちなみに言うと、自叙伝のような農村の普段の営みを記したものというのはなかなか探しても見当たらない。昔は、紙と墨自体が貴重なものだったし、そうしたものを使って記すのは特別な事柄に限られていた。古い農村の姿というのは、それぞれの記憶の中に留められているもので、大概がその一生と共に霧散してしまう。前述の「茨の道」は、昭和の終わり頃に出版されたもので、取り留めのない描写を紙に写しとろうというくらいに、記録というのがが気軽にできる時代になったとも言える。ーー

 私たちが伝統と言って、無意識に古文化を偲ぶ感覚は、ずいぶんと楽観的なものなのではないか。
だからと言って、近代化に諸手を挙げて肯定することも憚(はばか)られる。農村に生きた明治人が、その半生を振り返って惨めさのようなもの感じていたように、現代を生きる私たちもまた、私たちの時代に対して満たされない何かを感じていることは事実だと思う。昔を生きてきた方からすれば、よほど贅沢な悩みだと叱られそうだが。

 しかし私たちは、近代化の孕む問題の答えをついつい過去に求めがちになってしまう。というより、伝統を美化することでそれを近代化批判の表現に使ってしまう。
往々にして、そうした表現の根底に、まるで蒸留物然とした郷土愛があるような、歴史の上澄みばかりを掬(すく)いたがる風潮が鼻についてあまり好きにはなれない。近所のお年寄りの、昔を語る哀愁混じりの口調と、今を生きる幸せがないまぜになった裏腹な表情に私はリアルを感じる。歴史というのは、清濁を合わせ呑んだものだと思うのだ。言わずもがなではあるが。

 そんなことを思いつつも、少し前の私自身、有機農業という世界に身を置いた当初は、口当たりの良い蒸留酒にでも酔いしれたような感じだった。持続可能な農業に懐古的な何か美しさのようなものを投影していたと言えばいいのか、とにかく恥ずかしくも浅慮と言っても良いくらいだったと思う。それは、端的にいえば「自然と寄り添う」とか、「丁寧に生きる」みたいな、足付きの悪い理想に囚われていたように感じる。
とはいえ、それが歴史を知ろうという入り口になったことはよかった。昔の人はどんな暮らしを営んでいたのかという疑問が、私をリアルに引き戻すことになったのだった。
そして、多くのものを自給し、循環の中で生活を送っていた時代の地元の古い文化を記した文献や、近所のお年寄りの話に触れて、私たちが現代社会に抱く違和感に対して立ち現れる、無垢でとりとめのない懐古的な考え方や、昨今取り沙汰されているSDGsという取り組みに対する私たちの受け取り方に、少なからず疑問を抱くようになった。

〈続〉

事実や史実に反する内容があった場合にはご一報をお願いします。
加筆、修正させていただければ記録として残す価値が上がるかと思います。
思ったことを書き並べているということもあって、内容が前後するかもしれませんが、その辺は多めに見てください。
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#monochrome
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76 0
麦秋へ

小麦より先んじて大麦が黄金色に。収穫はいよいよです。

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麦秋へ

小麦より先んじて大麦が黄金色に。収穫はいよいよです。

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〈コラム〉オリジンに戻ること【5】 

 小川町ではスダコがおせちに入ってくる。「酢蛸(スダコ)」とは読んで字の如しの食材だが、甘酢で締めたマダコの大足で、鮮やかな食紅で着色されていることが多い。居酒屋に行けばスライスされた酢蛸がメニューに載っているくらいには、小川町の人間は酢蛸が好きらしい。
 交通インフラが未発達だった時代、海鮮というのは内陸に住む者にとって遠い存在だった。とはいえ、一度旅に出れば、海沿いでは必ず食べたであろうことは想像し易い。あるいは土産話でその美味を耳にする機会も多かったのではないか。 一度海の妙味を口にした者にとっては、その味が時を重ねる毎に物語となり、そうでない者にとっては、土産話を咀嚼しながら一体如何なる味なのか未知の想像を逞しくしたろうと思う。そうした渇望が、内陸に海産物の生食を引き寄せた。

 魚尻線(うおじりせん)というのがある。生魚を腐らせずに内陸に運べる限界線のことをそう呼ぶ。この場合の限界線とは、人力や畜力での話である。例えば江戸時代、甲斐国(山梨県)ではマグロがよく食されていたらしい。駿河湾で水揚げされたクロマグロは、富士山麓を東周りに北上し、本栖湖と精進湖を抜けて甲府盆地に至る道を、一昼夜をかけて運ばれた。
言い換えれば、魚を腐らせず、かつ地理的制約の中で、目一杯足を伸ばせる先が甲府だった、と言うことだ。
山梨県民のマグロと寿司への愛着は、今でも続いている。こうした山に隔たれた地域の海鮮に対する消費欲は、時代を遡るとその理由が見えてくるから面白い。

 ちなみに言うと、魚尻線は夏と冬で奥行きが変わってくる。当然ながら生魚が痛み易い夏は短くなり、冬は長くなる。気温が低い季節には、甲府よりさらに北上し、諏訪まで至った。同じ季節には日本海側(富山湾)からのブリが運び込まれ、冬の信州は日本海と太平洋の生魚が邂逅する地帯でもあった。

 小川町の酢蛸にも、似たような内陸根性が見え隠れしているように感じなくもない。保存性を良くする上で好まれたのは干しダコではなかった。スダコには生の食感が残っていて、海の幸を味わっている気になれる。酢で締めると色が悪くなってしまうタコを、わざわざ鮮やかな赤に染め上げると言うのも、より生の海産物を楽しむための工夫だったのかもしれない。
 甲府盆地で食べられていたマグロも実は、生の食感を損なわない程度に塩や酢、醤油を使って、なるべく日持ちをさせるための工夫は施されていたらしい。当然、奥地に運ぶにあたって増したであろう生臭さや、加えられた塩味によって損なわれてしまう風味を補い、美味しく食べるための調理法もあった。
これらは、正確な意味で言うなら“海鮮”と云うわけではなかった。しかし、生の食感を残すことに最上の価値が置かれ、ギリギリの奥地まで運び込むための工夫の中に、その土地ならではの風土が宿っていたのではないかと思う。

 先に、物流の持つエネルギーが、起伏に富んだ日本を文化的平野にしてしまったと云う話をした中で、海鮮を内陸で食すことに疑問を投げかけた。我が家ではたまに、鳥取の魚を漁師から直に取り寄せて次の日に刺身にして食べたりする。大変美味でいつも有り難く頂く。つくづく物流と冷蔵技術の賜物だと思う一方で、しかしそこに「なぜ鳥取の生魚なのか」と云う文化的、地理的理由は見出せないのだ。
 文化的平野とは見渡しはよいが、何日も洋上を航海する船員のように、いつまでも変わらない景色に飽きてしまうような、そんな味気なさを感じてしまう。
どんなに高級で美味しい料理を食べても、そこに文化的、地理的裏打ちがなければ庶民の愛するスダコには負けてしまう、とそんな気がするのだ。

〈続〉

…
写真: @sushi_bar_maru の野菜寿司
…
事実や史実に反する内容があった場合にはご一報をお願いします。
加筆、修正させていただければ記録として残す価値が上がるかと思います。
思ったことを書き並べているということもあって、内容が前後するかもしれませんが、その辺は多めに見てください。
_____________________
#横田農場 #小川町 #埼玉
#食べ物 #野菜 #固定種 #自家採種 #農家 #農業 #farmers
#畑 #無農薬 #有機農業 
#organic #agriculture
#japanesefood #japanculture
#monochrome

〈コラム〉オリジンに戻ること【5】

 小川町ではスダコがおせちに入ってくる。「酢蛸(スダコ)」とは読んで字の如しの食材だが、甘酢で締めたマダコの大足で、鮮やかな食紅で着色されていることが多い。居酒屋に行けばスライスされた酢蛸がメニューに載っているくらいには、小川町の人間は酢蛸が好きらしい。
 交通インフラが未発達だった時代、海鮮というのは内陸に住む者にとって遠い存在だった。とはいえ、一度旅に出れば、海沿いでは必ず食べたであろうことは想像し易い。あるいは土産話でその美味を耳にする機会も多かったのではないか。 一度海の妙味を口にした者にとっては、その味が時を重ねる毎に物語となり、そうでない者にとっては、土産話を咀嚼しながら一体如何なる味なのか未知の想像を逞しくしたろうと思う。そうした渇望が、内陸に海産物の生食を引き寄せた。

 魚尻線(うおじりせん)というのがある。生魚を腐らせずに内陸に運べる限界線のことをそう呼ぶ。この場合の限界線とは、人力や畜力での話である。例えば江戸時代、甲斐国(山梨県)ではマグロがよく食されていたらしい。駿河湾で水揚げされたクロマグロは、富士山麓を東周りに北上し、本栖湖と精進湖を抜けて甲府盆地に至る道を、一昼夜をかけて運ばれた。
言い換えれば、魚を腐らせず、かつ地理的制約の中で、目一杯足を伸ばせる先が甲府だった、と言うことだ。
山梨県民のマグロと寿司への愛着は、今でも続いている。こうした山に隔たれた地域の海鮮に対する消費欲は、時代を遡るとその理由が見えてくるから面白い。

 ちなみに言うと、魚尻線は夏と冬で奥行きが変わってくる。当然ながら生魚が痛み易い夏は短くなり、冬は長くなる。気温が低い季節には、甲府よりさらに北上し、諏訪まで至った。同じ季節には日本海側(富山湾)からのブリが運び込まれ、冬の信州は日本海と太平洋の生魚が邂逅する地帯でもあった。

 小川町の酢蛸にも、似たような内陸根性が見え隠れしているように感じなくもない。保存性を良くする上で好まれたのは干しダコではなかった。スダコには生の食感が残っていて、海の幸を味わっている気になれる。酢で締めると色が悪くなってしまうタコを、わざわざ鮮やかな赤に染め上げると言うのも、より生の海産物を楽しむための工夫だったのかもしれない。
 甲府盆地で食べられていたマグロも実は、生の食感を損なわない程度に塩や酢、醤油を使って、なるべく日持ちをさせるための工夫は施されていたらしい。当然、奥地に運ぶにあたって増したであろう生臭さや、加えられた塩味によって損なわれてしまう風味を補い、美味しく食べるための調理法もあった。
これらは、正確な意味で言うなら“海鮮”と云うわけではなかった。しかし、生の食感を残すことに最上の価値が置かれ、ギリギリの奥地まで運び込むための工夫の中に、その土地ならではの風土が宿っていたのではないかと思う。

 先に、物流の持つエネルギーが、起伏に富んだ日本を文化的平野にしてしまったと云う話をした中で、海鮮を内陸で食すことに疑問を投げかけた。我が家ではたまに、鳥取の魚を漁師から直に取り寄せて次の日に刺身にして食べたりする。大変美味でいつも有り難く頂く。つくづく物流と冷蔵技術の賜物だと思う一方で、しかしそこに「なぜ鳥取の生魚なのか」と云う文化的、地理的理由は見出せないのだ。
 文化的平野とは見渡しはよいが、何日も洋上を航海する船員のように、いつまでも変わらない景色に飽きてしまうような、そんな味気なさを感じてしまう。
どんなに高級で美味しい料理を食べても、そこに文化的、地理的裏打ちがなければ庶民の愛するスダコには負けてしまう、とそんな気がするのだ。

〈続〉


写真: @sushi_bar_maru の野菜寿司

事実や史実に反する内容があった場合にはご一報をお願いします。
加筆、修正させていただければ記録として残す価値が上がるかと思います。
思ったことを書き並べているということもあって、内容が前後するかもしれませんが、その辺は多めに見てください。
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#横田農場 #小川町 #埼玉
#食べ物 #野菜 #固定種 #自家採種 #農家 #農業 #farmers
#畑 #無農薬 #有機農業
#organic #agriculture
#japanesefood #japanculture
#monochrome
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〈コラム〉オリジンに戻ること【4】

 有機農業は、その実践の形として、一定範囲のコミュニティで完結することに偏ってきた部分があったと思う。エネルギーや食の地産地消や自給自足、フードマイレージと言う考えかたはやはり、より身近に生産と消費の循環を起こそうとしてきたし、今もその流れは「本来は、、、」と言う文脈を添えて続いているような気がする。
循環を目に見える範囲と形で表現するというのは、とてもわかりやすい。

 しかし、繰り返しになるが、歴史は語るのだ。海の彼方から伝来した鉄と稲作が社会の容量を押し広げ、開墾農民から土豪が生まれ武士が登場し、天下という国土一帯の経済が俄かに形を持ち始めとき、そして信長が楽市楽座を作って道路網を再整備し、秀吉が大阪を物流の中心地に据え、商品流通と市場経済が決定的になって以来、私たちはその歩みを長らく謳歌してきたではないか。舶来の文物が止めどなく流れ込み、津々浦々を廻船問屋が行き来し、北海道の昆布や赤穂の塩、南方の砂糖が全国に出回り、内陸の田畑には干し鰯(イワシ)や鰊(ニシン)カスが肥料として鋤き込まれ、上方(かみかた)の醤油や酒や油を、江戸と言う消費地がひと飲みにしてしまうこれを、やはり地産地消とは言い難い。
しかし、盛んな商品流通が地域にあったオリジナリティを一色に埋め合わせるほど、エネルギーを持つ事はなかった。

 ところが、現代の流通は、地域にあったオリジナリティを破壊するほどにエネルギーを持ってしまったように思う。内陸で海鮮を食せたり、どこに行っても同じものが陳列されているコンビニのように、日本という起伏に富んだ土地を文化的に真っ平にしてしまった。
(流通にかかるエネルギーを資源に頼り切っていることももちろん問題ではあるが、私はそれよりも、オリジナリティの喪失の方が問題だと思っている。“個”というのは“かえ”がきかない。)
 より身近に生産と消費の循環を起こそうという考え方は、現代の流通経済に対してのアンチテーゼとして言われ始めたことではある。しかし、歴史も社会も文化も、その成り立ちを交易や流通なしには説明できない。つまり、それ自体を否定することはできないのだ。

 ではなぜ、絶え間ない交わりの中で無数の文化が生まれ、多様性を発揮できたのだろうか。今と昔で、何が違うのだろうか。

 私たちがひとくちに言う「循環」という言葉は、現代の流通の何が問題なのかを正確に射止めることができないまま、取り止めもく現在まで受け継がれてしまっているように感じる。

 循環とはなんなのだろうか。それが、横田農場の向き合うテーマにもつながっている。

〈続〉

事実や史実に反する内容があった場合にはご一報をお願いします。
加筆、修正させていただければ記録として残す価値が上がるかと思います。
思ったことを書き並べているということもあって、内容が前後するかもしれませんが、その辺は多めに見てください。
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#横田農場 #小川町 #埼玉
#食べ物 #野菜 #固定種 #自家採種 #農家 #農業 #farmers
#畑 #無農薬 #有機農業 
#organic #agriculture
#japanesefood #japanculture
#monochrome

〈コラム〉オリジンに戻ること【4】

 有機農業は、その実践の形として、一定範囲のコミュニティで完結することに偏ってきた部分があったと思う。エネルギーや食の地産地消や自給自足、フードマイレージと言う考えかたはやはり、より身近に生産と消費の循環を起こそうとしてきたし、今もその流れは「本来は、、、」と言う文脈を添えて続いているような気がする。
循環を目に見える範囲と形で表現するというのは、とてもわかりやすい。

 しかし、繰り返しになるが、歴史は語るのだ。海の彼方から伝来した鉄と稲作が社会の容量を押し広げ、開墾農民から土豪が生まれ武士が登場し、天下という国土一帯の経済が俄かに形を持ち始めとき、そして信長が楽市楽座を作って道路網を再整備し、秀吉が大阪を物流の中心地に据え、商品流通と市場経済が決定的になって以来、私たちはその歩みを長らく謳歌してきたではないか。舶来の文物が止めどなく流れ込み、津々浦々を廻船問屋が行き来し、北海道の昆布や赤穂の塩、南方の砂糖が全国に出回り、内陸の田畑には干し鰯(イワシ)や鰊(ニシン)カスが肥料として鋤き込まれ、上方(かみかた)の醤油や酒や油を、江戸と言う消費地がひと飲みにしてしまうこれを、やはり地産地消とは言い難い。
しかし、盛んな商品流通が地域にあったオリジナリティを一色に埋め合わせるほど、エネルギーを持つ事はなかった。

 ところが、現代の流通は、地域にあったオリジナリティを破壊するほどにエネルギーを持ってしまったように思う。内陸で海鮮を食せたり、どこに行っても同じものが陳列されているコンビニのように、日本という起伏に富んだ土地を文化的に真っ平にしてしまった。
(流通にかかるエネルギーを資源に頼り切っていることももちろん問題ではあるが、私はそれよりも、オリジナリティの喪失の方が問題だと思っている。“個”というのは“かえ”がきかない。)
 より身近に生産と消費の循環を起こそうという考え方は、現代の流通経済に対してのアンチテーゼとして言われ始めたことではある。しかし、歴史も社会も文化も、その成り立ちを交易や流通なしには説明できない。つまり、それ自体を否定することはできないのだ。

 ではなぜ、絶え間ない交わりの中で無数の文化が生まれ、多様性を発揮できたのだろうか。今と昔で、何が違うのだろうか。

 私たちがひとくちに言う「循環」という言葉は、現代の流通の何が問題なのかを正確に射止めることができないまま、取り止めもく現在まで受け継がれてしまっているように感じる。

 循環とはなんなのだろうか。それが、横田農場の向き合うテーマにもつながっている。

〈続〉

事実や史実に反する内容があった場合にはご一報をお願いします。
加筆、修正させていただければ記録として残す価値が上がるかと思います。
思ったことを書き並べているということもあって、内容が前後するかもしれませんが、その辺は多めに見てください。
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〈コラム〉オリジンに戻ること【3】

 「在来種」とはなんだろうか。実は、定義が曖昧な語の一つである。対義語として違和感がないのが「外来種」だとすると、こちらは輪郭がはっきりしている。外来種は、端的に言えば、過去から現在に至るまでのどこかの時点で、ヒトがそこに持ち込んだものを指す。
だとすると、在来種というのは「人の介在なしに元々そこにあったもの」ということになるだろうか。
 ここ十数年で、在来種という言葉は農業界を中心に一般名詞になった感がある。小川町で言えば、のらぼう菜や青山在来大豆、金ゴマがあり、それらは地生えの農家が代々受け継いできたものでもある。
 在来種という語感には、大昔からその地域にあり、少なくとも元々日本にあったもの、というなんとなくのイメージを持っている人も少なくはないかもしれない。

 少々、話題を広げようと思う。和食と結びつく野菜とは何かと聞かれれば、大根やカブ、菜花やネギを想像したくなる。童謡の「お弁当の歌」に出てくる食材はその典型だろうか。大根や蕪は春の七草にも登場するように、すでに1000年も前には一般的な野菜だった。古事記には須佐之男命(スサノオノミコト)が怒りに任せて大宜都比売神(オオケツヒメノカミ)を殺した時、その死体から蚕、粟、小豆、米、麦、大豆が生じたとあり、この日本最古の歴史書(伝承集とも言える)が編まれた8世紀までには、すでにこうした作物が農業の中心にあったことが伺える。(ちなみに言うと、五穀豊穣の五穀というのは、こういった伝承を由緒としているらしい。)当然ながら、それが農業の始まりだと言うのは神話の中での話である。

 農耕が始まったばかりの日本には、和食の中で親しまれている野菜のほとんどが存在しなかった。
 元々日本にあった野菜というのは、セリ、ウド、フキ、ワサビ、ミツバ、ジネンジョ程度のものである。野菜というより野草と呼んだ方がしっくりくる。
 実は、私たちが普段食べている野菜のほとんど全てが外来種であることを知っている人は意外に少ない。全ての野菜が、原産地という出自を持ち、人類の移動と共に永い歳月を経て伝播したものなのだ。
 米がどこから来たのかという話は、小学校の歴史の授業で学んだ人が多いかと思う。中国内陸部で稲作が始まり、弥生時代に種籾(たねもみ:米の種)とその栽培技術が日本に伝来する。
 こんな話が、野菜には必ずある。人参であればアフガニスタン周辺が出発点になり、ネギは中国北西部、里芋はインドから東南アジア、ジャガイモは南米といった具合に。原産地から世界への旅路は、長いもので数千年とも、1万年とも言われている。

 タネと人類の旅路のひとつの終着点、ユーラシアの東端に、日本列島という三日月型の受け皿があった、というだけである。この島は、太古から受け皿であり続けた。そして江戸も終盤に差し掛かった頃、私たちが普段口にする野菜のおおまかなカタログがやっと出来上がる。
 一万年という歳月を考えると、至って最近の事のように感じる。

 在来種と呼ばれる野菜も例外ではない。そのほとんどが定義上は外来種であり、ある時誰かが持ち込まなければ存在すらしなかった。
 私たちの文化を分解してゆくと、そこには海の彼方から持ち込まれたものが無数に横たわっている。なんとも皮肉な話にも聞こえるが、そうした外来の組み合わせが、和食というオリジナリティを生んだのもまた事実である。そこに、文化の不思議さがある。
 これは、フレンチにもイタリアンにも通ずる話でもある。例えばイタリアやスペインには米料理があるが、彼らの米は長いシルクロードを経て中国大陸から伝わったものらしい。

〈続〉

事実や史実に反する内容があった場合にはご一報をお願いします。
加筆、修正させていただければ記録として残す価値が上がるかと思います。
思ったことを書き並べているということもあって、内容が前後するかもしれませんが、その辺は多めに見てください。
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〈コラム〉オリジンに戻ること【3】

 「在来種」とはなんだろうか。実は、定義が曖昧な語の一つである。対義語として違和感がないのが「外来種」だとすると、こちらは輪郭がはっきりしている。外来種は、端的に言えば、過去から現在に至るまでのどこかの時点で、ヒトがそこに持ち込んだものを指す。
だとすると、在来種というのは「人の介在なしに元々そこにあったもの」ということになるだろうか。
 ここ十数年で、在来種という言葉は農業界を中心に一般名詞になった感がある。小川町で言えば、のらぼう菜や青山在来大豆、金ゴマがあり、それらは地生えの農家が代々受け継いできたものでもある。
 在来種という語感には、大昔からその地域にあり、少なくとも元々日本にあったもの、というなんとなくのイメージを持っている人も少なくはないかもしれない。

 少々、話題を広げようと思う。和食と結びつく野菜とは何かと聞かれれば、大根やカブ、菜花やネギを想像したくなる。童謡の「お弁当の歌」に出てくる食材はその典型だろうか。大根や蕪は春の七草にも登場するように、すでに1000年も前には一般的な野菜だった。古事記には須佐之男命(スサノオノミコト)が怒りに任せて大宜都比売神(オオケツヒメノカミ)を殺した時、その死体から蚕、粟、小豆、米、麦、大豆が生じたとあり、この日本最古の歴史書(伝承集とも言える)が編まれた8世紀までには、すでにこうした作物が農業の中心にあったことが伺える。(ちなみに言うと、五穀豊穣の五穀というのは、こういった伝承を由緒としているらしい。)当然ながら、それが農業の始まりだと言うのは神話の中での話である。

 農耕が始まったばかりの日本には、和食の中で親しまれている野菜のほとんどが存在しなかった。
 元々日本にあった野菜というのは、セリ、ウド、フキ、ワサビ、ミツバ、ジネンジョ程度のものである。野菜というより野草と呼んだ方がしっくりくる。
 実は、私たちが普段食べている野菜のほとんど全てが外来種であることを知っている人は意外に少ない。全ての野菜が、原産地という出自を持ち、人類の移動と共に永い歳月を経て伝播したものなのだ。
 米がどこから来たのかという話は、小学校の歴史の授業で学んだ人が多いかと思う。中国内陸部で稲作が始まり、弥生時代に種籾(たねもみ:米の種)とその栽培技術が日本に伝来する。
 こんな話が、野菜には必ずある。人参であればアフガニスタン周辺が出発点になり、ネギは中国北西部、里芋はインドから東南アジア、ジャガイモは南米といった具合に。原産地から世界への旅路は、長いもので数千年とも、1万年とも言われている。

 タネと人類の旅路のひとつの終着点、ユーラシアの東端に、日本列島という三日月型の受け皿があった、というだけである。この島は、太古から受け皿であり続けた。そして江戸も終盤に差し掛かった頃、私たちが普段口にする野菜のおおまかなカタログがやっと出来上がる。
 一万年という歳月を考えると、至って最近の事のように感じる。

 在来種と呼ばれる野菜も例外ではない。そのほとんどが定義上は外来種であり、ある時誰かが持ち込まなければ存在すらしなかった。
 私たちの文化を分解してゆくと、そこには海の彼方から持ち込まれたものが無数に横たわっている。なんとも皮肉な話にも聞こえるが、そうした外来の組み合わせが、和食というオリジナリティを生んだのもまた事実である。そこに、文化の不思議さがある。
 これは、フレンチにもイタリアンにも通ずる話でもある。例えばイタリアやスペインには米料理があるが、彼らの米は長いシルクロードを経て中国大陸から伝わったものらしい。

〈続〉

事実や史実に反する内容があった場合にはご一報をお願いします。
加筆、修正させていただければ記録として残す価値が上がるかと思います。
思ったことを書き並べているということもあって、内容が前後するかもしれませんが、その辺は多めに見てください。
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