温床の落葉詰めが終わりました 2

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伐期を過ぎ、高々と生い茂る木々。

温床へ落ち葉を詰める作業が終わりましました。
温床に使った落ち葉は軽トラ11杯分。今年は落ち葉の量が少なく、広めの範囲を掃きました。
ボカシ(発酵の種)と糠、野菜カスを入れたので、1週間もすれば発酵が活発になり温度が上がってくるはずです。

ボカシはおから、糠、籾殻(自家)と、鶏糞(自家)にヨモギエキス(ヨモギを摘んでマスコバド糖に漬けこんだもの)と山や畑でとってきた菌糸を混ぜ合わせて発酵させたものです。
これを軽トラ一杯の落ち葉を入れるごとに、糠と野菜カスとともに投入し、それを中に人が入って水を入れながら踏み込み、ティラミス状に積み重ねて、枠いっぱいになるまで繰り返せば完成です。

そうしてしばらくすると、ボカシに入っている菌が落ち葉の有機物を分解し、発酵熱が出ます。その熱を利用して、初春のまだ厳しい寒さから苗を守ろうというのが、踏み込み温床の役目です。
温床深部の温度は、80度程まで上がり、表面は20度程に保たれます。それが時間だ経つにつれて発酵も穏やかになっていきますが、大体3か月位は暖かさが維持されます。 2月に苗づくりが始まってから3か月ほどなので、ちょうど暖かくなる4月まで使えるということです。

また、温床として役目を終えても、温床の中の落ち葉を2年寝かせれば、質の良い腐葉土になるので、それを苗土に利用することで、無駄なく使えるのが、この温床のミソです。

毎年温床を作れば、山がきれいになり、苗用の温床にもなり、そして苗土になる。 害獣対策も、土を買う必要もなくなることは、大きなメリットだと思います。何より、軽トラで100メートルの距離を移動する以外、エネルギーが必要ありません。最悪、人力で何とかなるでレベルです。 効率が悪そうだと思われるかもしれませんが、害獣対策や防災対策(山の保全は土砂災害や山火事を未然に防ぐ)、電気設備に話が及ぶと、そうでもなくなります。それが個人レベルだけでなく、町全体の利益を損なうこともあり得る訳です。

話は変わって…
写真に写っていたので気になる方もいたかと思いますが、昨日は、長野県佐久市から、ゆい自然農園で研修中の小城さんが農場見学にいらっしゃいました。
ちょうど温床づくりも佳境だったので、その手伝いをしながら、お互いの考えを共有しました。佐久市も中山間地なので、農地とその周囲の環境、生産者や消費者を全部ひっくるめて持続可能な「あり方」について話合ったりしました。温床づくりというちょうど良いタイミングで来てくれたので、山のことを話す良い機会にもなったと思います。 佐久市でも、獣の被害は相当なもの、獣対策の電柵は欠かせなくなっていると聞きました。シカが増えているのですが、道路に撒く凍結防止剤「塩化カリウム」をシカが舐めて冬場に必要なミネラルを確保してしまうことで越冬率が上がり、大繁殖しているのだとか。 山の利用が減って、獣が下りてくるようになった地域もあるとも。

何処の農地でも山に手を入れなければ自分たちの農業が危ないと思い始めているようです。 何とか、荒れ放題の山をきれいにしたい、その為にやることは山ほどありますが、一つ一つ、こなしてゆこうと思います。

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